HIV感染者および非HIV感染者へのエムポックスワクチンに関するガイドライン ver. 1
2023年6月13日
一般社団法人日本エイズ学会 ワクチン接種勧奨のためのガイドライン作成委員会
1.はじめに
感染症法で4類感染症に指定されているエムポックス(旧称サル痘)は、中央アフリカから西アフリカにかけて見られていた感染症であり、最近まで、その他の地域ではこれら流行地への渡航歴のある人からの散発例が見られるのみだった。
ところが、2022年5月以降より流行地への渡航歴のないエムポックス罹患者が世界各地で報告されるようになり、このアウトブレイクを受けて、2022年7月に世界保健機構(WHO)は緊急事態を宣言するに至った。日本国内では2022年7月に海外渡航歴のある最初の症例が報告されて以降、月0-2例程度の散発的な発生が報告されてきたが、2023年1月以降より報告例の急増が見られており、3月に70例、4月に27例、5月(~6月4日)にに48例(累計175例)が報告されている(厚生労働省サル痘報道発表資料2023年6月9日時点)。2023年1月以降の167例中165例(98.8%)は渡航歴のない国内感染例であり、これから社会活動が急速に回復していく中で、大規模な国内流行が懸念される事態であると考えられる。
以上の状況を鑑み、エムポックス感染拡大防止のための、政府による「早急かつ積極的な施策整備の取り組み」を要望する。これには、感染リスクの高い集団に対する啓発活動、安全性および有効性の高い予防ワクチンの整備、患者急増に備えた診断・治療のための検査および治療体制の確立、重症化リスクの高い未診断のHIV感染者を早期発見するためのより積極的な検査実施体制等が含まれると考えられる。本稿において、「日本エイズ学会ワクチン接種勧奨のためのガイドライン委員会」として、エムポックスワクチンに対する現時点での考え方を提言する事とした。ただし、現時点(2023年6月13日時点)では、日本でエムポックスに対して接種が承認されているワクチンは、乾燥細胞培養痘そうワクチンLC16「KMB」Ⓡ(LC16m8)のみであり、二又針を用いた接種であるため接種手技の指導および習得が必要であり、限られた医療機関において、研究の形で対象を限定して接種が行われているのが状況である。免疫不全者も含め、エムポックスの発症予防の有効性と安全性のエビデンスが蓄積されているワクチンは、海外ですでに大量の接種実績をもち、皮下注射あるいは皮内注射での接種が可能なMVA-BNであるが、これは日本では未承認であり、現時点では使用する事ができない。本稿は、海外での使用実績から得られたMVA-BNに関するエビデンスをまとめるとともに、現在、日本で使用可能なLC16m8をどのように使用していくかについて、ガイドライン委員会で討議して専門家の意見をまとめ、緊急に臨床現場での対応のヒントとなる提言となる事を目指した。
以上のような経緯から、本稿は現時点での暫定解に過ぎない。今後の知見の集積および状況の変化により、柔軟に修正していく方針である事を理解していただければ幸いである。
推奨の強さ | 推奨のエビデンスの質 |
A : 強く推奨 | Ⅰ : 臨床的エンドポイントおよび/または妥当性確認済みの検査評価項目を設定した無作為化臨床試験が1件以上 |
B : 中程度の推奨 | Ⅱ : 適切にデザインされた非無作為化試験、長期の臨床成績を追跡した観察コホート研究、相対的生物学的利用能・同等性試験、若しくは無作為化された薬剤変更比較試験からのデータ |
C : 任意 | Ⅲ : 専門家の見解 |
2.HIV感染者へのエムポックスワクチン
Executive summary
・HIV感染者で本人およびその性的パートナーがエムポックスに罹患する可能性がある場合は曝露前予防として、ワクチン接種が推奨される(AⅢ)。
・HIV感染者で小児期に痘そうワクチン接種既往がある場合でも、感染リスクがあると判断される場合は、曝露前のワクチン接種が推奨される(AⅢ)。
・HIV感染者がエムポックス罹患者との性的接触等により、発症リスクがあると考えられる場合には、禁忌事項がない限り、曝露後予防としてのワクチン接種を強く推奨する(AⅢ)。
・明らかなエムポックスの既往があるHIV感染者は、罹患後短期間に再感染したとしても発症するリスクは低いため、一般的にワクチン接種は推奨しない(BⅢ)。ただし、HIV感染者の免疫状態によっては主治医と相談の上、ワクチン接種を検討して良い(BⅢ)。
・HIV感染者に対して推奨されているエムポックスワクチンは、MVA-BNである(AⅡ)。ただし、日本では未承認ワクチンである。そのため、接種後に健康被害が生じた場合にも「医薬品副作用被害救済制度」や「予防接種健康被害救済制度」の適用とはならない。
・MVA-BNは、HIV感染者において免疫状態によらず、その他の禁忌がない限り接種可能である(AIII)。ただし、CD4数<100/µLでのワクチン応答性のエビデンスは現時点では限られている。
・国内承認ワクチンであるLC16m8は、CD4数が200/µL以上かつ血中HIV量の抑制が得られている場合に、接種を検討して良い。ただし、HIV感染者における有効性および安全性のエビデンスはないため、接種前にワクチン接種のリスクおよびメリットについて十分な説明を行う必要がある(B/AⅢ, 注1)。
・LC16m8は、CD4数が50/µL未満のHIV感染者には接種しないことを推奨する(AⅢ, 注2)。
・LC16m8は、CD4数が50~199/µLのHIV感染者に接種する際にはCD4数に応じたリスクベネフィットを考慮し接種を話し合う(B/CⅢ, 注3)。
・LC16m8は、慢性皮膚疾患や心血管疾患を有するHIV感染者において接種する際にはリスクベネフィットを考慮し接種を話し合う(B/CⅢ, 注4)。
・エムポックス罹患リスクが継続している場合、前回接種ワクチンに応じて適切な期間をあけての追加接種を検討する(BⅢ)。
注1:ガイドライン作成委員のうち、A推奨 5人/ B推奨 7/ C推奨 0人
注2:ガイドライン作成委員のうち、A推奨 11人/B推奨1人/ C推奨 0人
注3:ガイドライン作成委員のうち、A推奨 1人/ B推奨 7人/ C推奨 4人
注4:ガイドライン作成委員のうち、A推奨 1人/ B推奨 6人/ C推奨 5人
Literature review
・エムポックスの世界の現状と日本の現状
エムポックスはオルソポックス属エムポックスウイルス[Mpox virus(MPXV)、旧称サル痘ウイルス(Monkeypox virus)]による急性発疹性疾患である[1]。1970年にコンゴ民主共和国(旧ザイール)でヒトへの感染が報告された。本疾患は中央から西アフリカで発生し、非流行国では主に渡航関連疾患として散発的な症例が報告されていた[2]。MPXVが感染していたげっ歯類をペット用にガーナから輸入した米国のペットショップにおいて、どの輸入げっ歯類からプレーリードッグのコロニーにPMXVの感染が広がり、そのプレーリードッグから人が感染するという流行が米国で発生したこともある[3,4]。日本では感染症発生動向調査において集計が開始された2003年以降2021年まで報告はなかった[5]。
しかし2022年5月にこれまで非流行地域だったヨーロッパでの流行国未渡航者症例発生を皮切りに[6]、それが世界的に流行拡大した[7]。2022年7月23日WHOは公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)を宣言したが[8]、世界的には患者数が減少したため、2023年5月11日にPHEICは解除された[9]。このアウトブレイクでの特徴として、ほとんどの症例がmen who have sex with men(MSM)であり、HIV感染者はそのうちの約4~5割を占めている点が挙げられる[7]。これを受け、天然痘ワクチンのエムポックスに対する有効性が疫学データから示唆されていたことから[10]、今回の流行において一部の国では高リスク群への天然痘ワクチン接種が開始された。その後、世界的に症例数は減少し、世界的には散発的に認めるのみとなっている[11]。一方で、日本では、2022年7月に渡航歴のあるエムポックス症例が報告され、以降は散発的に症例を認めていたが[12]、2023年2月から渡航歴のない患者数が増加している状況である[13]。流行が大規模拡大する前に、ハイリスク群に対して、有効なワクチン接種を迅速に行う事が、日本における現在の喫緊の課題となっている。
・HIV感染者におけるエムポックスについて
2022年5月以降に国際的に流行したエムポックスは、それまでの流行と異なり感染経路として性的接触が強く示唆され、ほとんどの症例がMSMである[7]。そのため今回のアウトブレイクではHIV感染者が全患者の30~50%を占めている[7, 14, 15]。ただしHIV感染症自体がエムポックス罹患を高めるかどうかは不明であるが、HIV感染者は罹患後の入院率が高く、特にCD4数の低下したHIV感染者においてエムポックス重症化リスクが高い可能性が示唆されている[16]。症例シリーズ報告であるが、CD4数 100/µLの患者では300/µL以上の罹患者と比較して重篤な合併症(壊死性皮膚病変、呼吸器系病変、二次感染、敗血症)のリスクが有意に高く、CD4数200/µL未満で特に高HIV量の患者で死亡リスクが高いという報告がなされた [17]。そのためアメリカではHIV感染者の場合、特にCD4数350/µL以下や血中HIV量が抑制されていない罹患者では抗MPXV薬を考慮する事が推奨されている[15]。抗MPXV薬は、本邦では特定臨床研究の枠組みでのみ経口Tecovirimatが使用可能である[18]。本剤は特定の抗HIV薬(ドラビリンやリルピビリンなど)との相互作用があるが、最新のガイドラインでは用量調整不要と記載されている[19]。抗HIV治療を受けていないHIV感染者では早期の抗HIV薬開始が重要であるが、CD4数350/µL未満の未治療あるいは治療中断中のHIV感染者におけるエムポックス症例において、抗HIV薬を開始もしくは再開したところ、85例中21例(25%)で免疫再構築症候群が疑われる病態の悪化が起こり、21例中12例(7%)死亡したとの報告があり、エムポックス罹患後の適切な抗HIV薬開始時期はまだ明確ではない[17]。
・エムポックスに対する予防接種
リスク者への天然痘ワクチン接種には、曝露前予防(Pre-exposure prophylaxis:PrEP)とエムポックス罹患者との接触後に緊急で接種する曝露後予防(Post-exposure prophylaxis:PEP)がある。
現在エムポックスに対して使用可能なワクチンとして欧米ではMVA-BNとACAM2000が、日本ではLC16m8がある[20]。LC16m8は天然痘ワクチンとして開発された。現在の日本ではテロ事件発生にそなえた対策として備蓄されており[21]、添付文書の効能効果は「痘そうの予防」とされていたが、2022年8月にサル痘予防効果が追加され「痘そう及びサル痘の予防」に改訂された[22]。現在まで臨床研究として、エムポックスを診療する可能性のある医療従事者に対するPrEPと、特定臨床研究として保健所の疫学調査で濃厚接触と判定された人に対するPEPが行われている[23,24]。1970年代に約5万人の小児を対象とした大規模接種臨床試験で安全性については確認されているが[25]、免疫不全宿主への接種における安全性などのエビデンスに乏しいのが現状である。
アメリカではPrEP対象者として、職業的曝露リスクが高い人、MSMで過去6か月以内に1つ以上の性感染症が診断された場合や、複数の性交渉パートナーを有する人、過去6か月以内に性風俗産業従事者との性交渉や地域イベント関連で性交渉を行った者、前述のリスクを有する人が性的パートナーである人、HIV感染症またはその他の免疫抑制がありエムポックス罹患者に曝露する機会がある人が挙げられている[26]。またPEP対象者としては、衛生当局による疫学調査でエムポックスとの接触が特定された人だけでなく、過去14日以内の性交渉パートナーがエムポックスと診断されたことを知っている人、MSMで過去14日以内に複数パートナーと性交渉を行ったり商業施設やイベントでの性交渉があった人も適応としている[26]。PEPは曝露後4日以内、無症候性の場合は14日以内の接種を推奨している[26]。
公的機関の疫学調査では、感染経路の特性上濃厚接触者の抽出に限界があるため、アウトブレイク時には日本においても諸外国に準じた幅広いPrEPやPEP適応が望ましいと考えられる。
MVA-BN(JYNNEOS®/IMVAMUNE®/IMVANEX®)は第3世代の天然痘ワクチンで、第Ⅰ世代の天然痘ワクチン(Vaccinia virus-Ankara)を基に開発された。特異的な開発プロセスによりMVAはニワトリ線維芽細胞以外の動物細胞における増殖性が極度に低下しており、非複製ワクシニアウイルス(天然痘ワクチン)となった[27]。非増殖性ということもあり、免疫原性が比較的弱く、2回接種が必要とされている。アメリカ、カナダ、EUではエムポックスに対する予防として承認されているが、日本では承認されていない[28]。生ワクチンであるがゲノムの約15%を欠失した結果、ヒト細胞での複製能を喪失している。そのため免疫不全者や慢性皮膚疾患を有する人でも安全に接種できる[29–31]。今回のアウトブレイク発生時では欧米で本ワクチンを用いた大規模接種が行われた。その結果、現時点では本ワクチンの有効性や免疫不全者における安全性と有効性に関するエビデンスも集積された状況であると言える。4週間間隔で2回皮下注射が原則であるが、1回でもある程度エムポックスに対する有効性が得られるという報告が複数なされている[32, 33]。またアウトブレイク時には、限られたワクチン供給量でより多くの人へ接種を行うことを目的として、少量(1/5量)皮内投与法が行われたが、その結果、本投与法が皮下注射と同等の免疫原性を持つことも判明した [34, 35]。ただしアメリカでは皮内投与は緊急承認で18歳以上の適応となっている[28]。以上により、日本においても、本ワクチンが入手可能であれば、有効性や免疫不全宿主を含む安全性のエビデンスからは、本ワクチンが第一に推奨されるべきであると考える。
LC16m8はLC16m8株を用いたワクチンであり、天然痘ワクチンの有害事象低減目的に日本で開発された。LC16m8も第3世代天然痘ワクチンで、第1世代天然痘ワクチンLister株からウサギ腎臓細胞で継代培養を繰り返すことで作製されたワクチンである[25]。日本で備蓄されている乾燥細胞培養痘そうワクチン®は接種には二又針を用いる[21]。1975年に種痘が中止されるまで、約5万例の小児への投与実績があり[25]、その後は臨床研究として2000年代に3000例以上に投与され安全性とMPXVに対する免疫原性が確認されている[36–38]。LC16m8被接種者において後述の第2世代天然痘ワクチンACAM2000接種に基づく心筋炎の発症はなかった[38,39]。しかし、LC16m8はHIV陽性者を含む免疫不全者における有効性と安全性が調べられていないことから、添付文書上「明らかに免疫機能に異常のある疾患を有するもの」は禁忌になっている[22]。HIV感染者への投与の安全性に関するエビデンスはない。ただ動物実験では免疫不全マウスでのLC16m8の安全性は示されている[40]。天然痘対策指針ではHIV感染症は禁忌とされており[12]、厚生労働省厚生科学審議会(感染症部会)での協議内で、製造元からHIV感染者は臨床試験のデータはなく接種は禁忌とのコメントがなされている[41]。これに関し、当委員会では麻疹、風疹等の他の生ワクチンがCD4数200/µL以上で接種が可能である事も踏まえた上で、「CD4数が200/µL以上かつ血中HIV量の抑制が得られているHIV感染者では『明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者』に当てはまらない」とした。
ACAM2000は第2世代天然痘ワクチンで、第Ⅰ世代天然痘ワクチン(ワクシニアウイルス)を基に細胞培養で増殖させて製造させたワクチンである[27]。アメリカで使用可能だが、Mpoxに対して緊急使用承認はされておらず、調査用新薬(Investigational New Drug: IND)としてのみ使用可能である[42]。第1世代天然痘ワクチンであるDryvax®がエムポックスに対し有効との報告[43]とMPXVに対する免疫原性の報告[44]をもとに痘瘡ウイルスを含めたオルソポックスウイルスによる感染予防のためのワクチンとして推奨されていた。ただMVA-BNと比較して禁忌や有害事象も多く、心筋炎のリスクもあることから、MVA-BNが使用できず禁忌でない場合に限定されている。アメリカでは今回のエムポックスアウトブレイク時における本ワクチンの禁忌項目として、HIV感染症(免疫状態にかかわらず)、心血管疾患リスク因子3つ以上、等をあげている[26]。ただしアメリカの天然痘曝露後臨床ガイダンスでは、ACAM2000は、CD4数50/µL未満は禁忌、CD4数50~199/µLはMVA-BNが推奨されるが明らかな痘瘡ウイルス曝露がある場合には投与可能、との記載もある[45]。専門家の意見として、CD4数500/µL未満での接種は推奨されないとしている。
なお小児期に天然痘ワクチンを定期接種した既往のあるものはエムポックスの重症化を予防するとの報告があるが[46]、予防としてはエビデンス・質とも不十分と考えられ、現時点では今回のアウトブレイクで第3世代ワクチンの予防接種が推奨されている[26]。
現時点ではMPXVに再感染しても発症することは稀であり[47]、エムポックス罹患後に再感染予防のための予防接種は推奨されていない[27]。ただし、再感染による発症例の報告はあるため、症例によっては罹患歴があっても感染リスクを考慮してワクチン接種を検討して良いと考えられる。
・HIV感染者におけるエムポックス予防接種の有効性
現在、欧米ではHIV感染者に臨床で使用可能となっているワクチンはMVA-BNのみである。現在日本で利用できず、輸入の目途もたっていない。LC16m8に関しては上述の通りデータはない。
MVA-BNの有効性に関して、HIV感染症がどの程度臨床的に影響するか現時点では十分に明らかにはなっていない。しかし今回のアウトブレイク前の研究で、CD4数350/µL以上の場合は非HIV感染者と同等の免疫原性が示された[48]。しかしCD4数350/µL未満の場合は非HIV感染者と比較して免疫原性の低下が示唆されている[49]。ただしAIDS既往があり抗HIV療法を受けている場合、20%がCD4数200/µL未満だったが2回投与で100%中和抗体が産生されている[50]。いずれも安全性に大きな問題はないことから、2回接種が望ましいと考える。
・追加接種について
MPXVや天然痘ウイルスに継続的に曝露するリスクがある人、例えば職業的曝露(ウイルス研究者やエムポックス流行地での医療従事者など)がある場合は追加接種が推奨される。ただしエムポックスが定期的に流行している地域でなく、今回の非流行地でのアウトブレイクが終焉するならば、追加接種は不要と考える。
なお米国では、感染リスクが継続する場合、MVA-BNは2年毎、ACAM2000は3年毎の追加接種を提案している[25]。LC16m8の追加接種についてデータはない。LC16m8が定期接種は1回のみだったが、それ以前の種痘は1歳、6歳、12歳の3回接種だったこと、ACAM2000が3年毎との推奨から、3~5年毎の追加接種を検討してもよいかもしれない。
・病名について
エムポックスは、国際的にMonkeypoxと呼称されていたが、媒介動物はげっ歯類であり、今回のアウトブレイク時に偏見をもたらすことを考慮して、WHOは2022年11月にその呼称をMpoxに変更した[51]。本邦でも2023年2月に厚生労働省の専門部会で協議され、エムポックスへ変更する方針となり[52]、2023年5月26日エムポックスに感染症法上の名称が変更された[13]。今回はそれに則りエムポックスと記載した。
3.非HIV感染者へのエムポックスワクチン
Executive summary
・非HIV感染者でエムポックスに罹患する可能性ある者は曝露前予防として予防接種が推奨される(AⅢ)。
・非HIV感染者でエムポックスに対する予防接種が推奨される場合、その接種条件はHIV感染者と同様である(AⅢ)。
・非HIV感染者でエムポックスに対する予防接種が行われる場合、定期的なHIVスクリーニング検査がなされていなければ、接種前にHIVスクリーニング検査を行う(AⅢ)。
・LC16m8を接種する場合、未診断のHIV感染症による重度免疫不全の可能性を除外するために、接種前にHIVスクリーニング検査を行う事を強く推奨する(AⅢ)。
Literature review
・HIV感染高リスクについて
エムポックスの30~50%がHIV陽性者であり、罹患リスク因子の大部分は重複していると考えられる。アメリカでのエムポックス予防接種推奨者に加えて、HIV-PrEP利用者(既往を含む)、HIV-PEP既往者も推奨されると考える。HIV-PrEPでは、開始数か月は淋菌感染症やクラミジア感染症の割合が高まることが報告されており、エムポックスに対しても感染リスクが高まる可能性がある[53]。
・HIV-PrEPとHIV-PEPについて
「日本におけるHIV感染予防のための曝露前予防(PrEP)利用の手引き【第1版】」や「日本におけるHIV感染予防のための曝露前予防(PrEP)―利用者ガイドー【第1版】」に詳細が記載されている[54]。エムポックスに対する予防接種時には、HIV-PrEPやHIV-PEPに関する情報を提供することも検討すべきである[55]。
・予防接種前のHIVスクリーニング検査について
現在世界的には、エムポックスワクチンとしてHIV感染者でも安全性が証明されているMVA-BNが主流であり、予防接種時のHIVスクリーニング検査については各国のガイドラインでは明言されていない。ただし、エムポックス予防接種の際には性感染症予防を含めたsexual healthについて話す良い機会となるため、HIVスクリーニング検査を提案することが望ましい。イタリアでのエムポックスワクチン接種キャンペーン中、過去にHIV感染症と診断されておらずHIV検査に同意した954例のうち6例(0.6%)がHIV感染症と新規に診断されている[55]。HIVスクリーニング検査間隔についてはデータが不十分だが、PrEP利用者では3か月毎[54]、アメリカでは高リスクな場合3~6か月毎が推奨されていることから[56]、直近3か月でHIVスクリーニング検査歴がなければ積極的に提案する。
HIV感染者におけるLC16m8ワクチンの有効性と安全性に関するデータがかけているため、本ワクチン接種時にはHIVスクリーニング検査が必須と考える。
2023年6月13日
一般社団法人日本エイズ学会 ワクチン接種勧奨のためのガイドライン作成委員会
金澤晶雄、木内英、古賀道子、武内世生、田中瑞恵、谷口俊文、内藤俊夫、中本貴人、吉村幸浩、水島大輔、渡邊大(副委員長)、照屋勝治(委員長)
利益相反自己申告
照屋勝治は塩野義製薬株式会社、ヴィーブヘルスケア株式会社から講演料を受けている。
渡邊大はヴィーブヘルスケア株式会社から講演料を受けている。
Reference
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